患者さんの声-2

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患者さんの声-2

患者さんの声

「病院のお医者さんとはしないようなお話ばかりしていました」
（大西さん）

「病院にはもう行きたくない。家で過ごしたい」はっきりとした意思をもつご主人を献身的に支えた奥さん。訪問診療から自宅でのお看取りまでの数年間を振り返りお話を伺いました。

もともとは娘さんから当院に訪問診療のご相談がありました。どんな経緯だったんでしょうか？

主人はもともと肺の病気があって、いろいろ検査するうちに肝臓のがんも見つかったりで、病院通院をしていたけど、そのうち痛みやしんどさが強くなってきて、通院がつらくなってきて。入院の話も出たけど、主人は「入院はもうせん。いらん検査してしんどい目するだけじゃ」って言ってました。はっきりものを言う人で、病院の人やケアマネさんとかにもズバッと言うから、私はいつも肝を冷やしてましたよ。
つばさの先生はケアマネさんからの紹介だったと思います。ケアマネさんからの助言で、娘から主人に伝えてもらい、その後つばさクリニックにお願いの連絡をしたんだと思います。

娘さんの言う事だからすんなり聞けたんでしょうね。不安はなかったですか？

自分の祖母も母親も家で亡くなりました。その時の介護の経験もあるので、何とかなるだろうとは思ってました。ただ、訪問診療の先生は初めてだったので、「これからどうなるのか、何をしてくれるんだろうか」というのはありました。そのときはケアマネさんが「ちゃんと診てくれる先生だから、それだったらええじゃろ？」と言ってくれて、主人も納得していました。
それから一番最初に中村先生が来られてお話したとき、「ああ、これはええ先生じゃ」と思ったんでしょうね。そこからは診療を楽しみにしていましたよ。私は、何よりも、お家にお医者さんが来てくれる、という事だけで本当にありがたかったです。

ウマがあって良かったです。訪問診療の思い出はありますか？

主人は本当に意地悪だったから。看護師さんが点滴の注射をするときも「うまく入れるんかな。おお、うまいことできたが！」なんて言ってましたよね。ごめんなさいね。
ある時「しばらくお風呂に入っとらんね」と話をしてたら、つばさの看護師さんから、訪問入浴という手がありますよ、と教えてもらって。そこからケアマネさんに連絡して手配してもらって、お風呂に入って「これは気持ちええ。良かった」とすごく喜んで感謝してました。
あとは、何と言っても先生の診療。毎回診察の後にいろんなお話をしていました。野球の話をしたり、主人が好きなロト６のお話をしたり。まず病院のお医者さんとはしないお話ばっかりしていました。誕生日にアロハシャツを来て写真を撮ってもらったりもしましたね。とにかくほんとに診察を楽しみにしていました。
亡くなる前、最期のほうはもう毎日でも来て頂いて。お昼と夕方と。それはもう心強かったですよ。

中村も楽しみに診察に伺っていました。「今日は何の話をしようか」といつも言っていました。

そうですか。ホッとしました。診療にきてもらったのは２年間くらいでしょうか？結局その間一度も入院せずに最期までいきました。それはもう「つばさクリニックが来てくれるおかげじゃ」と本人は言っていました。
あと、先生がうちに来て頂いているところが新聞記事にも載って。良い笑顔でしょう。この写真は額に飾ってベッドの横に置いていましたよ。

誰よりも奥さんに感謝されていたでしょうね。

口が悪い人でしたけど、家に帰ってからは私に「悪いなあ」とか「すまんなあ」とか、ちょっと優しいことを言ってくれました。
「最期に死ぬ時は『ありがとう』と言って死ぬからなぁ」なんて言ってくれましたよ。結局最期はあっという間じゃったから、聞けませんでしたけど。本当にわがままな人で、冷や汗もようかかされましたが、皆さんによくしていただいて、お家で最期まで過ごせたんだと思います。もう本当によくお世話になって、ありがとうございました。